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音律を持たない自由な振動が響きあうトライアングルのようなものづくりの空間へようこそ。


by with-triangle

不思議な縁

訪仏の前に日本でBS放送にて、AUNというグループが日本人で初めてモンサンミシャルでライブを行った映像を見た。

AUNとは、邦楽界で活躍するスキルを持った様々な若手ミュージシャンを集めて、もっとポピュラーに、もっとシンプルに、もっとかっこよく和楽器の可能性を表現し、世界へ向けて日本文化と和楽器の素晴らしさを子供たちへ、若者たちへ、そして大人たちへ伝えたいーその気持ちに賛同したアーティストが集まり始まったプロジェクト。


世界遺産の建物の中での演奏は幻想的で不思議な世界を作り上げていた。
聴衆も、初めて聴く日本の音を堪能していた。

AUNが演奏していた場所に訪れ、テレビからは伝わってこなかった音の響きや空間の神秘性を感じ取ったとき、それが、どれほど素晴らしいものだったのだろうと、モンサンミシェルでの演奏を思い浮かべた。

日本に帰ってきて、すぐに虎ノ門の森カフェオープニングのの取材に訪れる。
都会の中の癒しをテーマにしたその会場では、あの、AUNの演奏がはじまった。
日本の伝統文化を、新しい形で人々の心に届けるというコンセプトは見事で、邦楽というものを身近に感じることができた。

なにより、BS放送にはじまり、モンサンミシェルでその足跡を感じ、さらに今度は生の演奏を聴けたことに驚いた。


パリでは、ランダムに街を歩き回って入る途中にたどり着いたISSEI MIYAKE のショップ。洗練されたデザインと店内のディスプレイのおもしろさにパリの中の日本を見た。
日本に帰ってきたら、すぐに、三宅一生事務所で働いている若手Sくんから、21-21のお知らせをいただき、駆けつけた。SくんはReality Lab Project Teamの一員で館内のプレゼンテーションを担当し、活躍していた。
その取り組みは、自分の持っている可能性を引き出し、頭の中の考えを全て形に変えるというパワフルなものでとても楽しませてもらえた。

また、一生さんと、アートディレクター浅葉克己さん、惑星学者の松井孝典さんのユニークなコラボレーションには驚いた。
松井先生が一生さんの洋服を身にまとい、現れたときはハッとし、また、それを堂々と着こなしている姿はお見事。ちょっと得意気でもあり、チャーミングだった。
後で、お目にかかったとき、松井先生の私服姿を拝見し、この上ない冒険に挑戦されたのだと思うと、お聴きしたお話はよりおもしろく感じられた。

「学者というのは頭の仲で啓蒙し、発表する手段は学会や論文という形だったが、頭の中の想いを表現するという手段はいろいろあり、アーティストのコラボレーションしてみて、改めて、自分のやっていることを外に向けて表現するべきだと感じた」

という異業種とのコラボレーションの魅力を充分に感じられる取材となった。

まだまだ、他にもたくさんのことがフランス発日本で繋がっていく。

with Triangleのものづくりは、他ではなかなか実現しにくいコラボレーションで、そこで起きる新しい化学反応を楽しみたい。

来年に向けての制作活動を含めたさまざまなプランが動き始めた。
by with-triangle | 2010-12-17 13:54