音律を持たない自由な振動が響きあうトライアングルのようなものづくりの空間へようこそ。


by with-triangle

かりんちゃん

”かりん”ちゃんという名前は史織から何度も聞いていた。
ただその名を先に聞き過ぎ、本人に既に会ったことがあると錯覚するほどだった。



昨日、六本木アートナイト。
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25弦琴奏者のアーティスト、”かりん”。
彼女がこのイベントに出演するという情報を手に入れ、駆けつけた東京ミッドタウンの会場で、ついに彼女の演奏を聞くことができた。
か細い身体に不釣り合いと思うようなでっかい25弦琴。
サーフボードのように抱え、おもむろにステージに置くと、挨拶もそこそこに琴を弾き始めた。
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空気が振動して伝わる弦のしびれが、体の外側を通してしみこんでくる。
身体全体が音を吸っている。
彼女のすべてが楽器になり、その間合い、はじく弦、発する声、すべてが届いてきた。
すごい。
琴なんか殆ど聞いたことない。
でも聞けば確実に「そうそう、こういうのだよね、琴」と腑に落ちていく。なんでなんだろう。
なんだか昔からこの楽器とこの音の琴を知っていたかのような親しみと共鳴を、ぼくは勝手に得ていた。



a0154299_15224728.jpg演奏後、彼女の楽屋にお邪魔する。
史織は昨年、かりんちゃんのライブの足跡に至る所で遭遇したという。
出張続きの中、なんと長崎県の島原で立ち寄ったお店で彼女のライブのチラシを見たという。
琴は日本固有の楽器だからか。
聞くと安心感を覚える。
一弦一弦はじきだされる音とそのあいだに生まれる、間。
民族には固有の”間合い”があり、それが身体の中には生きるリズムとして刻まれている。

彼女は明日から、ヨーロッパへ向かい3ヶ月各地でライブ活動を行うという。
最初の行き先はドイツ、ミュンヘン。
『ドイツをはじめとする東欧の間合いは、日本のものとは明らかに違う。でもその間合いを吸収することで、自分の中に今まで無かった旋律がうまれる可能性に出会える。』



間合い。
波長もいえるだろうか。
その短い間隔の中に、その人や、民族、国をはじめとするアイデンティティがすべて透けている。
琴一つで、その間合いを求めて世界を渡る。
彼女の冒険は、彼女だけのものではない。
世界の中の日本。その固有の波長を世界に伝える、僕たちの冒険。




アーティストかりん、公式HP
http://karin-sound.com/


がんばれ。
日本より、応援しています。




(art coordinator K)
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by with-triangle | 2010-03-29 00:34 | アート:art